ベテランUbisoft開発者による『Clair Obscur』、2025年ゲーム・オブ・ザ・イヤー候補に急浮上

『クレール・オブキュール：エクスペディション33』のディレクターは、退屈をきっかけに、2025年最高の評価を得るゲームを生み出しました。開発者たちのモチベーションと、サンドフォール・インタラクティブ設立の経緯を紹介します。

退屈が生んだ『クレール・オブキュール：エクスペディション33』

新たな方向性への転換

『クレール・オブキュール：エクスペディション33』は瞬く間に現代のクラシックとなり、2025年の最高評価を獲得、発売3日間で100万本以上を売り上げました。興味深いことに、このゲーム・オブ・ザ・イヤー候補作は、退屈と新境地を切り開きたいという創造的衝動から生まれたのです。

5月4日、BBCニュースはサンドフォール・インタラクティブの開発者にインタビューし、ゲームの起源について尋ねました。ギヨーム・ブロッシュディレクターは、このプロジェクトが自身の落ち着きのなさに対処する手段として始まったと説明しました。2020年のパンデミック中にユービーアイソフトで働いていた頃、インスピレーションが湧かず、新しいゲームを構想し始めたのです。

幼い頃から親しんできた人気JPRGシリーズ『ファイナルファンタジー』に触発され、ブロッシュは自身のビジョンを実現することを決意しました。彼はRedditで協力者を探すことから、この夢を実現する第一歩を踏み出しました。

運命の転機

チームを結成するため、ブロッシュはRedditやさまざまなオンラインフォーラムでメッセージを送り始めました。当時、ベル・エポックをモチーフにした世界観のターンベースRPGである『エクスペディション33』のコンセプトは、すぐには広く注目を集めませんでした。それでもブロッシュは、志を同じくする人材を探し続けました。

オーストラリアでロックダウン中のジェニファー・スヴェドベリ＝イェンが、彼の投稿の一つに返信しました。彼女はRedditでブロッシュが投稿した声優募集を見つけ、挑戦してみることにしたのです。「『やったことはないけど、面白そうだな』と思い、オーディションを送りました」とスヴェドベリ＝イェンは振り返ります。当初は主要キャラクターの一人として起用されましたが、最終的に『エクスペディション33』の主任ライターとなりました。

ユービーアイソフトを退社後、ブロッシュは『エクスペディション33』に完全に没頭し、サンドフォール・インタラクティブを設立しました。パブリッシャーであるケプラー・インタラクティブからの資金提供により、コアチームは約30名にまで拡大しました。多くのメンバーは型破りの方法で採用され、その中にはSoundcloudを通じてチームと連絡を取った作曲家のロリアン・テスタールもいました。

ケプラー・インタラクティブのサポートにより、スタジオはチャーリー・コックス（『デアデビル』）、ベン・スター（『ファイナルファンタジーXVI』）、ジェニファー・イングリッシュ（『ボーダーランズ3』）、アンディ・サーキス（『ロード・オブ・ザ・リング』）などの著名な俳優を起用することができました。

チームが拡大する中でも、ブロッシュとスヴェドベリ＝イェンは、ゲーム制作において「多くの役割を兼務した」と述べています。コアメンバーはしばしば本来の役割を超えた責任を負いました。例えば、スヴェドベリ＝イェンは複数言語への翻訳も管理しました。ブロッシュは「私たちには素晴らしいチームがいます。その多くはジュニア開発者ですが、プロジェクトに深く没頭し、並外れた才能を持っています」と語りました。

『エクスペディション33』にまつわる物語は、ゲーム自体と同じくらい魅力的です。退屈と幸運の一撃によって突き動かされ、サンドフォール・インタラクティブは今後何年にもわたってプレイヤーを魅了する不朽の名作を生み出したのです。『クレール・オブキュール：エクスペディション33』はPlayStation 5、Xbox Series X|S、PCでご利用いただけます。最新情報は、下記の記事をご覧ください！